コザクラインコの冬の体調不良。急激な温度変化に気をつけよう

体調不良のインコ

我が家にコザクラインコのあんこちゃんをお迎えした初っ端に風邪を引かせてしまい、『インコが風邪をひいた!治療と看病の実際』 それ以来人間用のヒーターを追加してみたり『インコの保温方法。ヒーターと温度管理について』と保温に関しては、この2年間気を遣ってきたつもりです。

が、

3度目の冬にまたしても体調を崩し、体重が激減してしまったあんこちゃん。看病、通院、温度チェックで様子を観察してわかったことは、室温を〇℃に保つということよりも、

急激な温度変化に注意すること

でした。

今回は体調を崩してから回復するまでの記録です。

寒さに強いコにしたかった

体重測定

インコの保温についてネットで検索していると、

  • 保温は必要ない
  • 保温は必要だが、過度な保温は必要ない

この二つの傾向に分かれます。

子どもの頃、野良セキセイを拾ってつがいで飼っていたことがありますが、ヒーターを使うという考えは一般的ではありませんでしたので、当時は屋外に鳥かごをぶら下げていました。それでも庭は冬でも元気に過ごしていました。

一方現代のペットのあんこちゃんは、保温管理バッチリのブリーダーさんのもとで生まれ、ペットショップ育ち。一羽飼いなので体を寄せ合って保温できる環境にもありません。

我が家の室内環境は、冬は床暖房で20℃はたいていキープできるので、徐々に寒さに慣らしていって最終的には補助的に使っている『サンコー 外付け式バードヒーター』だけにしていきたいな、と考えていました。

過度に保温することは発情を促しますし、寒さにある程度強いコになって欲しいと思っていたからです。

ある日、吐物を撒き散らしていた

1月の日曜日のお昼のことでした。

チビの少年野球の試合応援から帰宅して、ふとあんこちゃんのケージを見ると薄茶色をした塊がいくつもケージやビニールカバーにくっついています。

よーく見ると、未消化のペレットでした。

なんじゃこりゃー!!!!!

初めて見たので、なんでこんなにペレットが飛び散っているのかわかりません。この2日前にチビの爪に吐き戻しらしきことをしていたので(『コザクラインコの発情期。発情サインとトラブル防止について』参照)、吐き戻しのすごいヤツ??と思いつつ急いでネットで調べてみると・・・

  • 吐き戻しは一か所
  • 嘔吐は顔を左右に振りながら、口の中に戻したものを周囲に撒き散らす

参考 鳥の嘔吐について すみか動物病院より

こ、これは嘔吐だー!

あんこちゃんを見ると体全体を膨らませてウトウトしています。

体重は一気に3g以上減って、

43g!

ヤバイ・・・いつからこの状態なんだろう・・・

この日は少年野球の当番で早朝から家を空けていました。出かける前にチラッとケージをのぞいたときには変わった様子はなかったはず・・・不安でだんだん記憶にも自信がなくなってきました。

2日前から様子がおかしかったかも・・・

嘔吐の二日前、ケージの扉を開けても止まり木にとまったまま出てこなかったり、大好きな粟穂にかじりつかない・・・ということがありました。

体重も大きく変わらなかったので、どうしたんだろうね?と特別に心配もしていませんでした。ただ、初めての発情を迎えていたので『コザクラインコの発情期。発情サインとトラブル防止について 参照』、その影響かな??ぐらいにとらえていました。逆に暖か過ぎるのかもしれない、と嘔吐する前日に床暖房の温度を下げていました。

嘔吐のあった日は一段と冷え込むという天気予報でしたが、それまでの室温は20-24℃程度をキープしていたので、サンコーのヒーターだけで大丈夫だろうと思っていたのです。

急いで病院へ

病院へ行く前にまずはあんこちゃんを通称「集中治療室」へ。カブトムシなどの飼育でよく使われるプラケースのことです。

以前動物病院でアドバイスをいただいたように、羽を膨らませなくなるまで保温開始。30℃あたりで膨らみがなくなり、少しずつ動いたり元気が出てきました。

嘔吐発見4時間後にはようやくウンチが出て、プラケースに入れた粟穂を時々かじるように。

保温をしたらそれなりに元気になったし、寒い中動物病院へ連れていくことはまた体調を崩すことにならないかとちょっと迷いましたが、初めての嘔吐だったこともありやはり受診することにしました。

車のエンジンが温まるまで待ち、エアコンの温度は28℃で常春の車内環境にして病院へ。

そのう検査も特に異常がなく、

「風邪でもひきましたかねぇ~。」

ということでお薬をもらって帰宅。ちょっと自宅から遠いのがネックですが、日曜日も診察してくれるのでとても心強いです。

受診後から現在(4月)までの経過

発症10日目まで

プラケースに入院して6日ほどでやっとよく鳴くようになりました。

粟穂はよくつつくので、体重を増やすためにペレットだけではなく大好きな麻の実をたくさん入れておきましたが、全く変化なし。

8日後に再受診をすると、

「胸骨がまだ出ていますねぇ。もうちょっと体重を増やしてください。お薬はあと1週間分出しておきます。とくに変わらなければこのままおうちで様子を見てください。」

とのことでした。

狭いプラケース生活もストレスかな?と思い、昼間だけケージに移してみることに。床暖房はMaxまで上げて、ケージは補助的な外付けヒーターとメインの『ゼンケン スポットウォーム』の併用で室温20℃、ケージの一番暖かい所で28℃。

あんこちゃんは粟穂ホルダーや菜さしといった、ケージの中の一番高いところで過ごすのが好きなので、そこが一番温かくなるようにヒーターをセッティングしましたが、止まってくれません。そこまで移動する体力がないのでしょうか。

結局顔をうずめて寝ているのでプラケースに戻すことにしました。

やはり、ペラペラ・スカスカのビニールカバーでは、体力が低下しているときの保温は難しかったのでした。

発症10~20日

雪が積もったり、寒い日が何日かありました。プラケースの中に入っていれば元気なのですが、相変わらず体重が44g前半と増えません。

動物病院では特に診断はなかったので、ネットでも今回の体調不良について色々と調べてみました。嘔吐の原因は急激な気温変化(低下)で内臓が冷やされたことで起こったことではないかと素人判断ですがそう考え、ケージ内の温度差に注目していくことにしました。

参考 鳥さんと温度の話小島動物病院アニマルウェルネスセンター

発症25日目 再び嘔吐

比較的暖かい日が続き体重も45g前半まで増えてきたので、昼間だけケージに移すことにしました。

その日は雪の予報だったので、前日から念のためプラケースへ移動。ところが、プラケースとゼンケンヒーター、温度計の位置がまずかったのか、あんこちゃんが再び嘔吐してしまいました。温度計の位置を変えてみると、32℃を指していたのが24-26℃だったことが判明。

せっかく増えてきていた体重も42.2gまで減ってしまいました。

毎日昼夜問わずに温度管理をし、温かくなる春まで狭いプラケースで過ごさせるわけにもいかず、保温環境をまるっと見直すことにしました。

発症1か月 保温電球・サーモスタット・アクリルケージを購入

  • モノが増えるのがいや
  • 配線がゴチャゴチャするのがいや
  • 保温電球の管理に不安がある

以上の理由で保温電球やサーモスタットを使わずに、なんとかケージの保温ができないか??と試行錯誤してきた2年間でしたが、あんこちゃんの健康のために人間都合の理由は諦めました。

『ゼンケンスポットウォーム』が150w、『サンコー 外付け式 バードヒーター』が20wですが、この中間の保温器具がありません。散々ネットで調べまくって『マルカン 保温電球 40w』と『GEX エキゾテラ タイマーサーモサーモ(サーモスタット)』を購入しました。

参考サイト【インコの保温電球】最初に買うなら40w!温度はどのくらい上がる?

保温電球のパワーとサーモスタットの便利さには本当に驚きました。もっと早く買っておくべきだった!使用感の詳細については次回以降に記事にしたいと思います。

保温電球とサーモスタット

ケージを覆うビニールカバーの代わりとして、アクリルケージを検討することに。セキセイインコを飼う弟一家のところでは、『アクリ屋』の『バードケージ(鳥かご)ケース』を使っていました。

この『バードケージケース』は、鳥さん好きお馴染みの雑誌『コンパニオンバード』との共同開発された商品です。

高い!デカい!!

と散々迷いましたが、あんこちゃんの健康には代えられません。既成サイズ品を注文しましたが、到着は約3週間後・・・。

それまでは、温かい日の日中はケージへ、夜はプラケースの二重生活を送ることになりました。

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発症1~2か月まで 2℃の違いで吐く

アクリルケージが届いてアクリルの臭いを飛ばしてから、あんこちゃんを1日ケージで過ごさせることにしました。

アクリルケージの保温効果は抜群だったからです。

アクリルケージ

この頃すでに3月も中旬過ぎで、寒暖の差が激しい気候でした。体重も46g以上をキープしていたので、徐々に下げていた床暖房は日中オフにし、ケージの入口に置いていたゼンケンヒーターも一旦片づけました。

その日も寒い予報でした。前日から室温が2℃下がり、また嘔吐。ケージ入口付近の温度差が大きくなってしまったのでしょうか。それほど大量に吐いてはいなかったので、体重減少はありませんでしたが、またまた床暖房を入れ、ケージ入口にゼンケンヒーターをセットして3方面保温の開始・・・。

あんこちゃん、なんでこんなにデリケートなの??

とちょっと泣きそうでした。

発症2~3か月

4月に入ると今年は夏日があったり、かと思えばグンと気温が下がったりと3月以上に寒暖の差が激しい日が多くなりました。

毎日毎日、

  • あんこちゃんの様子
  • 温度計2か所、サーモスタット
  • 天気予報

とにらめっこしながら、少しずつ床暖房を下げ、ゼンケンヒーターを片付けるところまで成功。室温26℃外気温27-8℃の夏日に、外付けヒーターをオフにしてサーモスタットを26℃でオンになるように変更したところ、この切り替えが早すぎたのか、3日後の少し肌寒かった朝にやっぱり少量嘔吐したあとが・・・。

再度外付けヒーターをつけて、サーモスタットの温度を28℃オンへアップ。

ちょっと飼い主的にも疲れてきたので、4月中は保温電球と外付けヒーターの二刀流で様子を見ることにしました。

嘔吐してからの経過表

ここまで記載してきた、嘔吐してからのあんこちゃんの体調、体重、室温、ケージ内温度の経過を一覧にしてみました。

※温度変化のヒーター①は外付けヒーター付近、ヒーター②は一番温かい場所(ゼンケンもしくはマルカン保温電球)を指します。

日数 室温/ヒーター①/ヒーター② 体重(g) 様子 保温等
2日前 22℃/27℃/- 46.2 大好きな粟穂食べない。ケージから出ない 床暖房と外付けヒーター
0日(嘔吐当日) 19℃/27℃/- 43 ウトウトして元気なし プラケースで保温。内服開始
8日 20℃/-/30℃/ 44.4 再診。胸骨まだ出ている。  
10日 20℃/27℃/28℃ 42.2 ヒーターの場所にいない 朝仕切り戸を開けるだけで5℃下がる。日中ケージも断念。
11-24日 24℃/-/30℃ 45 元気になってくる 室温変化に合わせて床暖房調整
25日 21℃/-/24℃ 42.2 二度目の嘔吐 プラケースとヒーター、温度計の位置がよくなかった。保温で食欲復活
31日 23℃/27℃/30℃ 43.3 ケージへ移すが食欲落ちる 保温電球セット。雪の予報のためすぐにプラケースへ。
40日 25℃/28℃/30℃ 44.6 元気 夜もケージへ。暖かい日が続き床暖房調整
49日 22℃/27℃/28℃ 46.7 元気 アクリルケージ使用開始、ゼンケンヒーター撤去、日中床暖房オフ、サーモ29℃オン設定
54日 22℃/27℃/29℃ 46.3   寒くなる予報のため床暖房一日オン
57日 20℃/26℃/29℃ 45 朝嘔吐 ヒーター追加計3台、サーモ31℃オン設定へ
67日 24℃/27℃/30℃ 46.2   サーモ28℃オン設定、床暖房で適宜調節
72日 24℃/26℃/28℃ 47.7   昼間床暖房オフ
79日 26℃/26℃/28℃ 47.1   バードヒーターオフ、サーモ26℃オン設定
82日 23℃/24℃/26℃ 46.3 朝少量嘔吐 バードヒーター再びオン、サーモ28℃オン設定
100日 18℃/22℃/24℃ 47.2 元気 肌寒い日が続いている。バードヒーター、サーモ25℃オンで様子見中

鳥の保温は温度差に気を付ける

これまで様々な本を読んで、

健康な若い鳥さんだし、うちは床暖房もあるし、20℃は下回らないから大丈夫だな。

と思っていました。

今回こんなに何度も体調を崩したあんこちゃんの様子と温度計チェックの経過をもとに、保温について更に調べていくと、体調管理のカギは温度差に注目することだとわかりました。そして、あんこちゃんの場合、体調が完全に回復していない場合は気温差2℃でも嘔吐しました。回復期は様子を見ながら1週間ほどかけて1℃ずつヒーターの温度を下げたり、慎重に温度管理をしていく必要があることもわかりました。

温度差について、いつも楽しい動画でファンも多い『ぴんふさん』がとても参考になる動画を公開してくださっています。

動画① 『鳥の保温について【基本編】』

動画② 『鳥の保温について【応用編】』

保温については個体差が大きい

今回体調を崩したことをきっかけに、弟一家が飼うセキセイインコちゃんの保温環境についても細かく教えてもらいました。

  • ケージの覆いはアクリル
  • マルカンの保温電球40w1つ
  • 人間が起きているときはストーブをつけるが夜間は特になし
  • 16℃程度まで室温は下がるが平気

「保温なんてぜーんぜん気を遣ってないよ~」

・・・うらやましい。

お迎えしてすぐに風邪を引いたり、あんこちゃんはちょっと寒さに弱い個体なのかもしれません。またちょうど初めての発情サイン(『コザクラインコの発情期。発情サインとトラブル防止について』参照)が頻繁に見られた時期と重なっていたので、もしかしたら体力も消費していたのも影響しているかもしれません。

おわりに

小さな小さな生き物、インコ。

突然嘔吐したり、ご飯を食べなくなったり、ウトウトとして動かなかったり・・・

うちは食欲旺盛(誤食要注意ですが)で健康なワンコがいる分、そのか弱さに毎回ドキドキします。しかも、あんまり心配してのぞきに行く事は更にインコは気にするとかで、正直お世話は疲れます。それでも、失敗を繰り返しつつ乗り切るスキルも身についてきました。

チビとくっついて仲良さそうにしているところ、ボケーッとブランコでゆらゆらしている姿etcいつまでも元気でいて欲しいので、来年の冬こそは健康なまま乗り切らせてあげたいと思います。

保温や体調不良でお悩みのインコ飼いの皆さまの参考になりますように。

次回は買ってよかったアクリルケージとサーモスタットについてレビューします。

Happy インコ lifeを!